多くの中小企業では、資金繰りの予想を考えて運営できておらず、金融機関から指示されてから作成することがほとんどです。
なぜなら、資金繰りの予想は、企業の「営業部門」「工場部門」「開発部門」など全ての部署の情報が集約できていないと立案できないからです。そのため経理担当者は、資金繰りの「実績」は何とか集計できたとしても、「予想」はなかなか立てられないのです。
例えばある企業の経理担当者は、金融機関の職員から、資金繰り予想の数字が合わないなどの理由から「この数字の根拠は何か」「本当に正しいのか」と何度か質問をされ、それを「金融機関に問い詰められた」と感じ、これ以上仕事を続けられないと退職まで申し出てしまいました。
このように、どの企業でも資金繰り予想を作成できるという訳ではないのです。また税理士であっても、過去の取引仕訳の正誤などについては答えられますが、資金繰りについては専門外なことも多いでしょう。
このため本来は、資金繰り診断士が企業に対して指導しながら一緒に作成していくことが望ましいといえます。