在庫の期中の動きを推定するには、製造業であれば①原材料、②仕掛品、③製品のそれぞれの内訳を把握し、製品になるまでの流れを理解する必要があります。例えば「漬物業者」を例にすると・・・
①原材料・・・原料である野菜を漬けている期間が2週間、製品としてパッケージし出荷する期間を1週間だとすると、出荷する3週間前に原材料である野菜の仕入が発生すると仮説が立てられます。
②仕掛品・・・漬けている期間は仕掛品として、原材料費や外注費そして製造に係る労務費や経費がその製造期間に応じて仕掛品に配賦されます。これにより、月次で仕掛品(または製品)の金額を積み上げて算出することができます。
③製品・・・需要も年間を通じて一定ではないため、売上の伸びる時期に合わせて仕入を行う必要があり、それに合わせて仕入高も増減します。これにより、一般的な取引形態で、在庫がどう推移するか仮説を立てていくことが大切となります。
このように12ヶ月の推移について、仮説をもとに算出することで、これまで見えなかったその企業特有の「標準的な在庫の動き」が見えてくるのです。