ある専門商社では、仕入代金を前金で払うことが習慣となっていました。しかし、ある仕入先1社との取引が無くなり、海外仕入が少しづつ減ってきていたにも関わらず、社長、経理部長ともに、前金で払っていると思い込んでいました。このため、売上増などでは借入が必要になるという認識でした。

そこで、まずはこの常識を疑いました。前金となる仕入先をピックアップしたところ、わずか3社であることが分かりました。また、現在そこから仕入れている比率を月平均で出すと10%程度であり、仕入時点においては仕入金額の30%であることから、前金で資金負担が生じるレベルでは無いことが判明しました。

以上のことから、こちらの企業では無駄な借入を減らすことが可能であると分かったのです。

経営者は借入を減らすという考えをまず第一に持っておく必要があります。今の借入が当たり前と思わないことが重要で、この考えがあるか無いかで10年後の財務が変わってくるのです。