ある専用機械の製造業者では、決算を迎えても、経営者も社員も在庫棚卸を行っていませんでした。「売上がいくらか」「納期が間に合うのか」ばかりに関心が向いており、肝心の損益はあまり意識をしていなかったのです。本当に儲かっているのか、そうでないのか、決算を締めてみないと誰も分からないという状況でした。

こういった業種では、正確な損益把握が難しいのは事実です。材料を仕入れて製造し、取引先に納品して、取引先の検収後に売掛金の回収となるため、回収までの期間が長く資金が寝てしまうのです。

正確な損益が見えないと、何をすべきかが明確にならず、正しいことをしているのかどうかも分からなくなります。そうなると、「とりあえず走ってみる」ことになり、赤字を膨らませてしまうことにもなりかねません。
せめて、半期で正確な数字を見られる体制づくりは必須といえます。