事業承継において、後継者が資金繰りを理解することは、最も重要なポイントと言えます。「資金繰りの理解」によって後継者がやる気になり、自ら考え行動できるように変われるからです。
こちらはある老舗食品製造業者の事例です。
社長は、息子に承継してもらいたいという思いはあるものの、問題が山積みである現状から考えるとそれは不可能であり、今後どうしてくか悩み苦しんでいました。また息子も、社長に不満を言うだけで自ら動こうとはせず、2人の関係性も良くありませんでした。
そこで、“資金繰り予想”を軸に今後の経営について話をしたところ、社長から『頭がスッキリして目の前が明るくなった』という前向きな発言が得られたのです。また後継者の息子も、『自分も頑張って会社を何とかしたい』と気持ちを切り替えることができました。このように、後継者の資金繰りへの理解が、事業承継への道を拓くきっかけ足り得るのです。