資金繰りを分析する際の重要な3つの視点である、①虫の目、②鳥の目、③魚の目について説明したいと思います。今回はまず①「虫の目」についてです。
「虫の目」とは、細かく毎月の入金と支払いを見ていくことです。まずは、収入と支払いについて根拠のある金額を積み上げて差し引きし、「経常収支」を算出し、決算書の「経常利益+減価償却費」と比較します。数値に相違がある場合は、B/Sに戻って、売掛金が増えて回収条件が悪化していないか、経費の未払いが増えていないか、在庫の水準は妥当かと検討します。
さらに、本業の経常収支に加え、経常外収支と財務収支を見ていき、設備投資の状況や借入金の調達と返済状況を確認します。そして最後に、毎月末の預金残高が正しいかを見ていくことが「虫の目」の分析となります。